本当はこれが一番早かったかも? ミルク拒否克服 逆算正解ルート
ミルク拒否の原因は?
ミルク拒否についての記事は、ネット探せばたくさん出てきます。
しかし、言っていることはだいたい同じです。
リストにまとめるとこんな感じ。
- 症状の名前は「乳頭混乱」
- 赤ちゃんには好き嫌いがある
- 好き嫌いが出てくるのは生後2〜3ヶ月
- 哺乳瓶の乳首(ニップル)、ミルクの種類、温度、濃度などで好みがわかれる
- 赤ちゃんの好みを見つけてあげよう(ダメなら母乳でもいいんじゃない?)
一番大事な項目が、リストの4番目。
哺乳瓶の乳首、ミルクの味、温度、濃度などで好みが分かれるです。
「そうか、赤ちゃんにも好みがあるのか。じゃあ好みを見つけるために片っ端からためしてみよう!」と考えがちです。(わたしもそうでした)
でも、ちょっと待ってください。
哺乳瓶の乳首、ミルクの種類、温度、濃度の各項目をひと通り試すと、どれくらいの数になりますか?
乳首もミルクも、けっこうな数が発売されています。
温度(温かめ、普通、冷ましめ)、濃度(濃いめ、普通、薄め)だけでも、組み合わせれば9パターンあります。
ミルク拒否がはじまってすぐ、「こうなったら全部ためしてやる!!」といきおいこんで作った対応表があります。
本気で全種類ためそうと思って、よく知られている哺乳瓶の乳首、国産ミルクでざっくりとまとめたんですね。
それがこちら。
どうでしょうか? 全部ためせそうでしょうか?
ちなみに、これ全部で378項目あります。
そのうえ、乳首の種類はあるていど省略してあるので、やろうと思えばまだ数が増えます。
ムリです。もう絶対ムリ。
この表を作ったとき、さすがに悟りました。すべての要素をためすなんて無謀だ、と。
それならどうするのか?
なによりも、保育園で使用しているミルクに慣れることを目標にするのが優先です。(じつは、保育園に指定ミルクがあるのを知らず、ムダに遠回りしてしました)
園で指定がある場合は、ミルクの種類を確認してから濃度、温度、乳首を変えていくのがベター。
また、冷凍母乳OKな場合は、母乳も追加してためしてみましょう。
この記事は、ミルク拒否を克服したいま考えれば、これが最短ルートだったなと思える内容を「本当はこれが一番早かったかも? ミルク拒否克服 逆算正解ルート」としてまとめたものです。
計画もなく、手当たり次第に試してしまい、ムダな時間ロスと出費を重ねたわたしの反省をもとに作りました。
ミルク拒否に悩んだ一人として、この記事がいま困っている人の助けになればとてもうれしいです。
- 逆算正解ルート0 ミルクをあげる人、場所、タイミングを変える
- 逆算正解ルート1 ミルクの味を、スプーンで味見させる
- 逆算正解ルート2 ミルクの濃度を変える
- 逆算正解ルート3 ミルクの種類を変える
- 逆算正解ルート4 哺乳瓶の乳首を変える
- 逆算正解ルート5 コップ、ストロー、スパウトを試してみる
- 逆算正解ルート6 離乳食をすすめる
※この記事は、赤ちゃんがミルクを飲まなくなった! 入園直前のミルク拒否・哺乳瓶拒否 克服記 の続きです。
逆算正解ルート0 ミルクをあげる人、場所、タイミングを変える
何かを買いそろえる前に、まずはミルクをあげる人を変えます。
可能ならば、ミルクをあげるときは家以外の場所であげてもらいましょう。
うまくいけば、これだけで解決してしまうこともあります。
ちなみに、これは20年のキャリアがあるベビーシッターさんにアドバイスされた方法です。
ママがミルクをあげようとしても、赤ちゃんは「そこにおっぱいがある」ということを理解していますから、ガンとして飲まず。
また、ママがいなくなっても「家にいれば、いつかママが帰ってくる」と考え、飲まずに我慢してしまうこともあるとか。
そこで、ミルクをあげる人に外出してもらい、家以外の場所でミルクを飲むかどうかをテストしてみます。
それでも飲まない場合は、寝入り、寝起きなどの、ちょっとむにゃむにゃしているタイミングであげてみてください。普段なら絶対に飲まないミルクでも、寝ぼけているときなら飲んでくれることがあります。
これらの方法で飲まなければ、本当にいまのミルクの味が合っているかを確認していきます。
このあとの項目をためしていくなかで「条件は合っていそうなのに、いまいち飲みが悪い」というときは、うまくいきそうな条件のまま、ミルクをあげる人、場所、タイミングを変えてみてください。
逆算正解ルート1 ミルクの味を、スプーンで味見させる
逆転正解ルート0がダメだったら、今度は赤ちゃんの好みを探っていきます。
まずは、ミルクの味が本当に大丈夫なのかを確かめます。最初にすることは、手持ちのミルクを、スプーンで味見させるです。
ミルク拒否がはじまってしまうと、哺乳瓶を見ただけでイヤイヤ泣いてしまう場合があります。(下の子はこれでした)
この状態では、哺乳瓶の乳首が合っていないのか、それともミルクの味、温度、濃度がダメなのかがわかりません。すでに拒否がはじまっているなら、スプーンで味見をさせるのがベストです。
説明書どおりにといたミルクを、スプーンですくって赤ちゃんの口にそそいでみます。
スプーンがむずかしいなら、おくすりスポイトを使ってみてください。スポイトを使うときは、ほっぺの裏側にそそぐと飲んでくれやすいです。
哺乳瓶でミルクをとかすと楽
ミルクが口に入ったときにイヤそうな顔をしたり。
顔をそむけたり。のけぞってイヤがったり。
舌を使って、口から出そうとしたり。
そんな状態なら、味がダメな可能性が大。ミルクの濃度を変える。もしくは種類を変える必要があります。
→逆算正解ルート2 ミルクの濃度を変えるへ進んでください。
ミルクが口に入っても素直に飲むようなら、乳首か温度が好みに合っていない可能性が高いです。この場合は、ミルクはそのままでも大丈夫かと思います。
まずは温度を変えて飲むかを確認して、温度じゃないなとわかったら、つぎに哺乳瓶の乳首を変えていきます。
下の子の場合、ミルクのなかでも甘いと評判のほほえみを口に入れたら、露骨に顔をしかめ「オエッ」とえづきました。最終的に薄味好みとわかったので、この反応はいま思えば納得です。
そういえば、ロタの予防接種のときも、舌を器用に動かしてシロップを押し出していました。子どもは甘いものが好きと思い込んでいたので、ちょっとビックリしましたね。
逆算正解ルート2 ミルクの濃度を変える
ミルクの味がダメなようなら、つぎに試すのはミルクの濃度です。
うすめなら、40ml用の粉に45〜50mlのお湯。
濃いめなら、40ml用の粉に30〜35mlのお湯。
少しずつ変えて、ためしてみてください。
この2パターンのうち、あまりイヤがらなかったものがあれば、哺乳瓶にセットして飲ませてみましょう。
そのとき、人肌よりすこし温かいものから飲ませ。
飲みが悪いなら人肌。
それでも飲みが悪いなら、やや冷めるまで待ってチャレンジすると楽でした。
この方法なら、温かめ、普通、冷ましめと3項目の温度チェックができます。
味がダメ、濃度と温度の各3パターンともダメなら、使用しているミルクそのものがダメな可能性が高いので、今度はミルクの種類を変えてみます。
味も濃度も大丈夫なのに飲めないなら、哺乳瓶の乳首を変えていきます。
→逆算正解ルート4 哺乳瓶の乳首を変えるへ進んでください。
逆算正解ルート3 ミルクの種類を変える
どうやらミルクの味が合っていないとわかったら、ミルクの種類を変えていきます。
対応表でも記載しましたが、記事を書いている現時点(2019年9月)で発売中の国産粉ミルクはこの7種類です。
- ほほえみ
- E赤ちゃん
- はぐくみ
- ぴゅあ
- すこやかM1
- はいはい
- バランスミルク
「あれ、お店でほかにも種類を見かけたけど」と思いましたか?
この7種類以外で見かけたミルクがあれば、新製品かアレルギー対応ミルク、もしくはフォローアップミルクです。フォローアップミルクは離乳食で不足する栄養を補うためのものなので、9ヶ月〜などと記載されています。選ぶときには注意してください。
粉ミルクのなかでも、一番甘いと言われているのがほほえみ。
味が母乳に近いと言われているのがはいはいとバランスミルク。
はいはいは、国内で最初に発売された粉ミルクです。また、バランスミルクは、国内初の液体ミルクを発売したことで有名ですね。
「粉ミルク 味見」で検索すると、実際に飲んだ人が各粉ミルクの味を解説している記事が出てきます。何を選んでいいかわからないときは参考にしてみるのもいいかと思います。
新しいミルクをためすとき、缶を買うとムダになります。
できるだけ、スティックかキューブ、液体ミルクなどの小分けにされているものか、試供品などで試していきます。
とくにこだわりがなければ、メルカリで集めると楽です。複数種類まとめて売られていたり、交渉しだいでは本数を減らしてもらえます。
新しいミルクをためす場合も、まずはスプーンで味見させます。
いろいろと味見をさせ、「これは」と思う反応があれば、逆算正解ルート2へ戻って濃度をチェックしてください。
粉ミルクを変えた結果、イヤがらないミルクを発見し、スプーンでなら飲み込んでくれるのに、どうしても哺乳瓶では飲まない場合。今度は哺乳瓶の乳首を変えていきます。
もし、全部の粉ミルクを濃度や温度を変えても吐き出してしまう場合は、離乳食を進めたほうが早いかもしれません。
逆算正解ルート4 哺乳瓶の乳首を変える
ミルクには問題がない。もしくは、ミルクの条件がわかってきたのに、いまいちぐびぐび飲まないなら哺乳瓶の乳首(ニップル)を変えていきます。
しかし、これがけっこうたいへんです。
乳首にはメーカーが複数あるうえ、同じメーカーのなかでも、いくつかのブランドがあったりいたり、月齢によるサイズ変更まであり。さらには、ブランドによっては同メーカーでも乳首と瓶の互換性がなく。乳首だけをためしたいのに、セットで買わないといけなかったりします。(しかも、けっこういいお値段)
手当たり次第に手を出すと、お金がどんどん飛んでいきます。ある程度、あたりと区切りをつけて試していきましょう。
乳首を買いかえる前に、とりあえず試してみたいのが乳首を煮込むことです。
乳首を鍋でコトコト煮込むと、感触がやわらかくなり口当たりが変わります。煮沸消毒できる乳首であれば煮込むことができます。
しかし、柔らかくなるということは良くも悪くも劣化するということ。飲むかどうかわからない段階なら、捨ててもいいやと思えるサイズアウト(しそうな)乳首を使うことをおすすめします。
どれくらい煮込むといいか、という正確な情報はなかったので、ためしに30分ほどコトコト煮込んでみました。こんな感じに白く変色し、さわった感じも柔らかくなります。
左が煮込む前 右が30分煮込んだ後
煮込んだ乳首でも飲まなかった場合は、乳首の種類を変えてみます。
乳首にはさまざまな種類があります。比較的有名なものがこちらの8種類。
- 母乳実感(ピジョン)
- 母乳相談室(ピジョン)
- プレミアムチョイス(NUK)
- ネイチャーセンス(NUK)
- スタンダード(NUK)
- テテオ(コンビ)
- 赤ちゃん思い(ビーンスターク)
- チュチュベビー(ChuChu)
まだまだありますが、よく聞くものはだいたいここらへんでしょう。
このなかから、合う乳首を探していくわけですが、まだ持っていないなら母乳実感か母乳相談室の乳首と瓶のセットがおすすめです。
母乳実感は評判がいいのと、比較的売られている場所が多いので入手しやすいんです。そして母乳実感を買っておけば、同じピジョン製の母乳相談室の乳首もセットできます。
母乳相談室は、新生児がミルクから母乳に移行するための乳首なので、感触や形が本物に近いと言われています。
ただその特性上、サイズは最小のssしか用意されていません。しかも店頭ではほとんど売っていない状態です。(結局、Amazonで入手しました)
数年前、上の子がミルク拒否をしたときに母乳相談室を使い、見事に飲んでくれたので個人的には信頼度が高いです。
新生児用でしたが、その後、11ヶ月くらいまでちょくちょく活躍しました。量を飲むのが難しそうでしたけど、飲まないよりはマシだったので、ずっと使用していましたね。
もし母乳実感と母乳相談室がダメで、まだ試していないならNUK(ヌーク)のプレミアムチョイスがいいかなと思います。
なぜなら、このNUKのプレミアムチョイスは、メーカーが違うのに母乳実感や母乳相談室の瓶にセットができるんです!
やった! これなら乳首だけ買えばいける!!
瓶もセットだと高いですし、何本もあると場所も取ります。正直な話、瓶自体には容量くらいしか大きな差がないので、乳首だけですむならその方がいいです。
左から母乳実感、母乳相談室、プレミアムチョイス
取り付け部分はピジョンのもの。こんな感じにセットできます
哺乳瓶の乳首は、発売されている数も多いうえ値段がお高めです。
全部をためすと大変なので、自分で「ここまで!」という限界ラインを決めた方がいいかなと思います。
ある程度の数をためしても、まったく飲んでくれないなら、ほかの方法で飲ませることを考えます。
→逆算正解ルート5 コップ、ストロー、スパウトを試してみるへ。
逆算正解ルート5 コップ、ストロー、スパウトを試してみる
もう哺乳瓶(というか乳首)がダメということがわかったら、いっそ哺乳瓶をやめてしまいましょう。
どうせあと数ヶ月したら卒業します。ムリなものはムリとあきらめて、ほかの方法を試していきます。
赤ちゃんに飲み物を飲ませる方法は、哺乳瓶以外にもコップ、ストロー、スパウトがあります。
まず、ためすとしたらコップです。
家にあるものですし、成長すればいずれコップから飲むことになります。さらに、災害時にミルクを飲ませる方法として推奨されていますので、コップで飲めたらいざというとき安心です。
ほかにもストローやスパウトがあります。
ただ、これらをためす前に、まずは保育園で使用できるか確認しておいた方がいいです。ストロー禁止の園やスパウト禁止の園があったりします。保育園での使用ができるようなら、こちらも順番にためしていきます。
スパウトはセットして飲ませるだけですが、ストローはちょっとした練習がいります。
一般的な練習方法として、紙パックの飲料を買ってきて、横を押して飲ませるというものがあります。
最初はこの方法を試してみたんですが、下の子は紙パックで売っている麦茶やイオン水の味がダメで、まったく練習にならず……。
結局、フタの一部を押すと、中身がストローにあがってくるタイプのコップを買って、白湯を入れてお風呂で練習しました。お風呂ならいくらこぼしてもいいので、ちょうどいい練習場所でしたね。
購入したのはリッチェル コップでマグ ストロータイプ
フタにある「PUSH」を押すと中身があがってくる
ストローで飲める前に、ミルク拒否を克服したので保育園で使用しませんでしたが、ストローも3週間くらいで飲めるようになりました。
練習には、それなりに時間がかかります。
時間がかかるものは根気が必要になります。けれど、あまり思いつめるのもよくないので、休み休み「今日、飲んでくれたらラッキーだな」くらいの気持ちでやっていきましょう。
逆算正解ルート6 離乳食をすすめる
ミルクがどうしても飲めない。味がどうしても合わない場合は、離乳食をすすめて味の幅を広げたり、変化になれさせた方が早いかもしれません。
5ヶ月を越すという条件はあるものの、さまざまな味に慣れてくれれば、ミルクが飲めるようになることもあります。
離乳食でさまざまな味を試していくうちに、「この食材、どうしても嫌がるな」「こっちの味が好きみたい」というのがわかってきます。それもミルクの味や濃度のヒントになります。
下の子の場合、おかゆは大好きなのに、甘い味のにんじん、さつまいも、かぼちゃが苦手でした。
味の好き嫌いがわかったおかげで、「あれ、もしかして甘いの苦手?」という発見をして、そこから最適なミルク濃度(うすめ)がわかりました。
もし、何か気づいたことがあれば、ミルクの味を調整する逆算正解ルート2、逆算正解ルート3にもどってみてください。
また、ミルクが飲めない子でも、離乳食さえ食べられるなら保育時間が伸びることがあります。
もちろん、担任の先生との相談は必要です。でも「離乳食が食べられるなら大丈夫です」と言ってもらえることは少なくないようです。
下の子も、ミルクは全然飲めない状態でしたが、離乳食が食べられるようになったら、当初希望していた時間まで預かってもらえるようになりました。
ミルクは、ご飯が食べられるようになれば離れるもの。ご飯が食べられていて、ちゃんと水分を摂取できるのなら、とくに大きな問題はないのかもしれません。
おわりに
なるべく簡潔にと思っていたのに、かなり長くなってしまった逆算正解ルートですが、悩めるみなさんのお役に立てるならうれしいです。